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目からウロコの 法学概論

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目からウロコの法学概論

 学概論!!なんか、大学の一般教養の講義でこういうの、ありましたよね。でも、公務員試験で問われる法学概論と、大学の講義における法学概論は多少赴きが異なります。そもそも、何をもって法学概論とするのか、学者によって様々です。書店や図書館に行って法学概論と銘打った書物を紐解いてみても、その本によって書かれている事柄はもう目次からして違います。例えば憲法や民法といった法律の教科書には学者によってとなえる見解の相違は見られますけど、書かれていることの大枠は大体同じです。しかし、法学概論となるとそうはいかない…。

 まぁ、何が言いたいかって言うと、法学概論がわからないからと言って、下手に図書館や書店に行って適当なテキストを購入しようとしても無理な話だ、ってことです。だから、私の講義で、しっかりマスターして下さいね。


 れでは、早速本題に入っていきたいと思いますが、法って何なんでしょうか。まず、最広義(最も広い意味という意味)においては、法とは規範(ルール)である。このようにいわれます。この意味においては、法とは成文法(第○条…といった形式で文章化されていない法律)、不文法(慣習法、判例法、条理等文章化されていない法律)を含むものになります。

 一方、広義における法とは、通説的見解によると成文法のみを指します。即ち、国内法(法律、政令、省令、条例)と国際法(条約等国家間の法的取決め)です。

 また、狭義における法とは、その中で国内法を指し、最狭義における法とは国会の制定する法律のみを指します。

 じゃぁ、今度は別の観点から法を切っていきます。

 「法とは国家の力によって強制されるルールである。」※1とエライ先生は言っています。まぁ、スポーツや、伝統芸能や、宗教、或いは、家族間、恋人同士、あらゆる場面において我々は他人とうまく生活する上では、ルールを守って行かなければならないわけですが、法という名前のルールのみが国家によって強制(守らなかった場合は、刑罰等の不利益を国家から被るということ)されるのです。っていうか、国家の強制力が働くルールだから法である、とも言えるでしょう。

 また、別の学者は「(最狭義の)法とは国民の権利義務の規範である。」とも言っています。まぁ、先程の先生の言いまわしと同じことなんですが、かみ砕いて言うと「(最狭義の)法とは国民の権利を制限し、義務を課するものである。」もっと砕くと、「国民にとってあまり有り難くないもの」といえるでしょう。だからこそ、法律は我々国民の代表者が集う国会でもって制定されるのです。(憲法41条参照)


 度は法律の優先順位についてお話します。この国には省令や条例なんかもあわせると3万以上もの法が存在するといわれていますが、それらは如何なる秩序の下にあるのでしょうか…。例えば、甲という問題が生じた場合に、それを解決するためのルールがAとBの二つあった場合、どちらが優先されるのでしょうか、という問題です。

 まず、「上位法は下位法に優先する。」という言いまわしがあります。法は憲法、条約、法律、政令、条例の順にピラミッドを構成しています。まずはこの順番に優先順位が決定されるわけです。

 また、「後法は前法に優先する。」ってなものもあります。似たようなルールが二つあった場合、後から制定された法律が優先するというものです。

 或いは「特別法が一般法に優先する。」こんなものもあります。適用領域の限定された法律を特別法、限定されないのを一般法というわけですが、例えば、売買。私という一介の男が受講生のA君に要らなくなったCDを売る場合は、民法が適用されるわけですが、証券会社の人間が金融商品を販売する場合には、売買の中でも特別な場合ですから、民法は適用されず、商法や、証券取引法といった民法の特別法が適用されるのです。

 試験対策としてはこの三つの言いまわしを覚えて下さい。


 は法律の解釈について触りだけ説明します。ここは非常に大切ですから、詳しくは別にお配りしたプリントの問題演習でやります。

 例えば、公園の入り口に「自転車進入禁止」という看板があった場合、どうでしょう。自転車を押して入るのはいいのか、バイクはOKか、幼児の三輪車はどうか、というのがここでの問題です。類推解釈、拡大解釈、縮小解釈のそれぞれの差異を理解して下さい。

 或いは、皆さん、法律相談をしたことがありますか?弁護士のところに法律相談に行くと、弁護士は当該法律と判例を参照しながら、相談に乗ってくれます。判例とは基本的には最高裁判所の判決の例のことを指すのですが、じゃあ、何故、法律ではない判例を参照するのでしょうか?皆さんが、公務員試験において法律の勉強をするに当たっても、判例の学習は不可避であります。何故なんでしょう?これは法的安定性と具体的妥当性の関係の問題です。


 にも書きたいことは山ほどありますが、一度にお話しても辟易されるでしょうから、これから先の講義の中でボチボチ覚えていって。

 それから、これだけは守って欲しいですが、法律の勉強をするときは必ず六法を座右に置いて随時、該当条文を引くこと!!じゃあ、どんな六法が良いかというと、有斐閣の判例六法(類似品に注意。三省堂のコンサイス判例六法と勘違いしないように!)がお勧めです。これは私の大学院での師匠がこの六法をつくってて、私もちょっと携わっているんですが、まぁ、だから勧めてる訳やないけど…、かなりイケテル六法です。何がイケテルかというと、乗っけてる判例の数が半端とちゃう。それから、判例の索引も使える。たまに、重い六法持ち歩くのが、嫌やゆうて、おもちゃみたいな六法つこてる人いてるけど、ホンマ悲しい。(ToT)この六法とアカデミーの出してる判例集があれば、公務員試験レベルの判例はすべて網羅される。他の判例集なんか買う必要は全くないでしょう。まぁ、補足せなアカンところは随時講師がプリントを配るから。

 あ、それから講義ではなるべく発言しましょう。(^^;っていうか、俺、当てるから。当てられて分からん人は「わからへん!!」いうてくれて全然結構やから。まぁ、首を横に振ってくれてもええけど。思うんやけど、ここの学校はヨソみたいにビデオやテープでお茶にごしてないやろ。全部の講義がライブやねん。ってことは、講師と皆さんが一体となって講義がつくられる、まぁ、当てられてナンボ、分からんことはすぐに質問してナンボのところですよ。ここは。

 ほな、頑張って勉強しましょう!!質問があれば、受け付けます。


※1 野村豊弘『法学キーワード』有斐閣3頁

 

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