防災

1.大災害に法的に備えましょう。

➊罹災(りさい)証明書の発行の電子化

~誰ひとりとして取り残さないデジタル化の実現~
 2030年から2040年にかけて東南海大震災が、発生する可能性が高まると、火山学、地球科学がご専門の京都大学名誉教授の鎌田浩毅教授は説かれています。
 大震災発生時には、先ずは生命と身体の安全を守って頂きたいですが、次にして頂きたいことは、罹災(りさい)証明書を受け取ることです。罹災証明書があれば、通帳やキャッシュカードを津波や火災等で紛失・滅失していても、預貯金が下ろせる場合があります。
 また地震保険金の請求には罹災証明書が必須です。更に、証明の内容によっては、倒壊した建物を全額公費で片付けて貰えますし、建替えの場合の補助を一部して貰える場合もあります。
 このように罹災証明書の取得は、復興に向けての一丁目一番地なのですが、鳴門市では罹災証明書の申請は電子申請が可能となっていますが、交付は郵送で行うという運用に、僕がこれを書いている 2025 年 7 月現在はなっています。
 これは、ちょっとおかしくないですか?大災害発生時には、橋は落ち、道路は寸断されています。とてもではないですが、郵便屋さんが皆さんのご自宅まで罹災証明書を届けられるとは思えません。また、ご自宅が倒壊して避難所で寝泊まりをしているということもあるでしょう。
 鳴門市民の皆さんが、罹災証明書をスムーズに受け取る為には、スマホで申請してスマホで受け取るというシステムの構築が不可欠であります。
 一方で、ガラケーしか使っていない方や、スマホを使いこなせない方もいらっしゃるでしょう。そういう方の為に、我々、行政書士の出番です。鳴門には19の行政書士事務所があります。もっとも、行政書士事務所も被災している可能性がありますので、19 人の行政書士のスマホやパソコンが窓口になり、罹災証明書の申請を受け付け、市役所にデータを代理人として送付し、罹災証明書を代理人として受け取る、そういうシステムの構築が急務です。そのシステムが構築されれば、
鳴門市民の皆様は最寄りの行政書士、或いは知人の行政書士に依頼することよりにより、市役所の窓口に並ばなくても、罹災証明書を
受け取ることが出来ます。
 我が国では、各地の行政書士会と災害時協力協定を締結している自治体は数多くあります。2025年7月現在、唯一、徳島県内で徳島県行政書士会と災害時協力協定を締結している自治体はありません。徳島県行政書士会では、常に研鑽を重ねつつ県内の自治体さんと災害時協
力協定を締結する準備・用意をしております。
 コロナ禍に於いては、全国の行政書士が、商工会議所等と連携をしつつ、コロナ給付金・補助金の申請に尽力させて頂きました。大震
災発生時にも、行政書士が市役所で働く皆さんや、市民の皆様の為に汗をかかせて頂きたいと存じます。
 僕は長年、徳島県行政書士会の理事等をさせて頂いておりますので、是非、鳴門市と徳島県行政書士会との間に災害時協力協定(仮称)が締結出来るように、その架け橋として頑張らせて頂きたいです。誰ひとり取り残さないきめの細かい被災者支援行政を市役所の皆さんと推進して参りたいと存じます。

初代デジタル大臣 平井卓也衆議院議員と
初代デジタル大臣 平井卓也衆議院議員と

❷事業者の方に向けて、大震災用資産 台帳の作成とその電子化

~なりわい再建支援補助金のスムーズな交付決定に向けて~
 さぁ、罹災証明書を受けたら、次は何をするべきでしょうか?倒壊した瓦礫を公費で撤去して貰って、農林水産業やお商売をされている方は、ビジネスの再建に向けて、力強く立ち上がって頂きたいと思います。事業者の方が力強く立ち上がることによって、従業員の皆さんの雇用が維持され、そのご家族の生活の安寧が保たれることになります。そのための補助金が、なりわい再建支援補助金です。なんと補助率が4分の3にもなる大型補助金です(中堅企業等は2分の1)。
 2024 年 1 月 1 日に発生した能登半島大地震で被災された事業者の方は、僕がこれを書
いている2025年7月現在、まだこの補助金を得られていない方が多くいます。
 それは何故か?何故、そんなに時間が掛かっているのか?僕は石川県の行政書士で災害の復興のサポートをされている方や、石川県庁、輪島市役所の方々から直接お話をお伺いしました。それは倒壊した社屋・店舗等の平面図、立面図、動産においては、その型式等を記載した契約書や領収証が地震やその後の火事等で無くなっているからです。皆さん、スマホの中に、社屋の写真やトラック、コピー機等の動産の写真はたまたま入っている場合はあるようですが、それだけでは行政は補助金を出してくれないんですよ。そりゃ、そうですよね。あくまでも、震災前と同じような建屋や機材を再生するために補助してくれるわけですから、震災後の方が豪華な建屋に
なったら補助金の趣旨から逸脱してしまいますから。国や県は正確性を求めてくる訳です。
 我々、鳴門市民が能登の震災から学べることは何か?
 先ず、事業者の方は、所有する建屋の平面図と立面図をご用意下さい。お手許になければ、建屋を建ててくれた建設会社や工務店さんがお持ちの筈ですから、お取り寄せください。そして、事業に必要なトラクターやコピー機等の動産に関しては、車検証のコピーや動産の型式が記載されている購入時の契約書、領収証と一緒に金庫に入れておきましょうか( 笑 )。いやいや、金庫に入れておいたのではダメですよね。東日本大震災の時は、大量の金庫が流されてしまいましたから。

 だから、僕は、それらの書類を市役所に提出して、市役所は市内の事業者からお預かりしたそれらの書類をクラウドの中に保管しておくことをご提案させて頂きたいと思います。そうすることによって、仮に市役所が被災しても、事業者の皆さんは、なりわい再建支援補助金の交付を円滑に受けて、事業を力強く再建し、雇用を維持し、従業員の家族の安寧を確保することが出来、経済を活発に回していくことが出来ます。大震災が発生しても鳴門を決して消さない覚悟です!このミッション、是非、市役所の皆さんと一緒になって、私に汗をかかせて頂きたいと思います!

能登半島地震から2カ月後の輪島朝市
能登半島地震から2カ月後の輪島朝市

❸ 災害関連死、認定審査会、設置条例 (仮称)の制定

~避難所等で亡くなった方の命の尊厳を守ります~
 地震や津波等でお亡くなりになられたら、弔慰金が国から頂けることをご存知ですか?一家の大黒柱の方がお亡くなりになった場合には 500 万円を上限として、それ以外の方の場合は 250 万円を上限として、それぞれ支給されることになります。
 地震や津波のファーストアタックで図らずも亡くなった場合にはその認定は簡単です。あまり考えたくないですが、避難所で、熱中症に罹患し、死亡された場合も災害関連死として認定されるでしょう。
 問題は、避難所でうつ病に罹患し、図らずも自殺されたような場合、或いは避難先で持病が悪化して亡くなった場合などは、審査会の認定がないと弔慰金が支給されない、或いは支給が大幅に遅れるといったことがあるようです。
 我らの鳴門には、この審査会が未だ設置されていません。そもそも災害関連死認定審査会設置条例が未だ制定されていないからであります。今のままでは、大震災発生時に、お年寄りや、持病をお持ちの方、乳幼児の方が避難所や避難先でお亡くなりになっても、それは犬死になる可能性があります。それは、もはや人災です。もう何年も前から大災害が来ると言われて続けているのに、こんなに大事な条例が制定されていないとはどういうことでしょうか?今までの市議会議員の皆さんは何をされていたのでしょうか?
 と、ここまで僕が言うと、「それは県の仕事だから、鳴門市じゃなくて、徳島県に審査会は置くべきだ」との、反論が想定されます。確かに、災害関連死認定審査会は県に設置するパターンもあります。しかし、県に設置した場合と市に設置した場合には市に設置した場合の方が、災害関連死の認定がなされやすいという検証結果が、東日本大震災では出ていると、僕が読んだ日本弁護士連合会によって作成された論文には書いていました。
 やはり、ここは基礎的自治体である市に災害関連死認定審査会を設置するべきと存じます。鳴門市が単独で審査会を設置することが財政的に難しければ、松茂町や北島町など、周辺の自治体も一緒になって審査会の設置に向けて走っていくべきです。
 お年寄りや、乳幼児、持病をお持ちの方といった災害弱者に寄り添える鳴門市であって欲しいと思います。

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