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目からウロコの 行政学入門

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第10話 行政改革

一、 臨調(臨時行政調査会)、行革審(行政改革推進審議会)と行政改革会議

○我国の全政府レベルでの行政改革は諮問機関を設けてその答申に基づいて行う、というものであった。しかし、平成8年の行政改革会議においては橋本首相自らが会長を務め、総務庁長官が会長代理として実質的なまとめ役を果たし、省庁再編などを決定した。

二、行政改革の流れ

○第1次臨調(昭和37年)
・内閣府の設置や行政手続の整備など、行政管理上の提案に加えて、消費者行政、科学技術行政、青少年行政、首都行政など個別の政策分野での詳細な提案も含む。

○第2次臨調(昭和56年)
・第1次臨調の答申を踏襲
・「増税なき財政再建」を目指すため、財政支出の削減と公債依存度の抑制を目指す。それによって、政府は各省の概算要求にゼロ・シーリングをかけた。
・国鉄、電電公社、専売公社の3公社の民営化により、人員の削減とNTT株売却益の確保がなされた。
・答申にはなかったが、政府はこの時人事院勧告を凍結し、公務員の給与を抑制した。
・答申は「小さな政府」を目指すものだったが、労働界の意向を反映するものではなかった為、労働界の強い反発を招き、「労働なきコーポラティズム」と批判された。
・答申により、昭和58年国家行政組織法が改正され、官房、局、部の設置改廃が政令でも行えるようになった。また、昭和59年には総務庁が設置されるに至った。

○第1次行革審(昭和58年)
・第2次臨調の会長であった経済団体連合会(経団連)名誉会長の土光敏夫が引き続き会長を務めたため、第2次臨調の答申を推し進めるに留まった。

○第2次行革審(昭和62年)
・日米経済摩擦を背景に規制緩和の推進に焦点が当てられることになった。

○第3次行革審(平成2年)
・行政改革委員会の設置をもとめる。(平成9年解散)
・行政改革推進本部の設置を求める。
・行政手続法要綱案の作成(平成5年に行政手続法成立)
・情報公開法要綱案の作成(平成11年に行政機関の保有する情報の公開に関する法律成立)
・引き続き規制緩和の問題に取り組む

○行政改革会議(平成8年)
[1]内閣機能強化
・国政上重要な特定事項に付いて企画立案・総合調整を行う担当大臣が設けられる。
・内閣総理大臣の基本方針内閣発議権が内閣法4条2項に明記される。
・内閣官房の強化(内閣法12条等)。内閣府の設置
[2]省庁再編
・中央省庁等改革基本法が1999年に制定され、2001年から施行。
[3]行政機能減量
・行政機能の民営化、独立行政法人の提唱。

 

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