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目からウロコの 行政学入門

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第8話 公務員制

一、 任用原理

1、 開放型任用制
○行政任務の遂行に必要な仕事が分類列挙される。
○即戦力としてのスペシャリストを求める。
○水平的な労働力の移動が想定されている。

2、 閉鎖型任用制
○初めに職ではなくて人がある。
○ジェネラリスト志向
○新卒採用、終身雇用が中心で、中途採用、年俸制は馴染みにくい。
○労働力の水平移動が少なかったヨーロッパ諸国や我国で採用されてきた。

二、 戦後の公務員制

※戦前は官吏の任命大権が天皇にあり、官吏は「天皇の官吏」として特権的な地位を占めた。これに対して現行憲法では公務員の任免は国民固有の権利とされ(憲法15条1項)、国民のための公務員の存在が規定されている。

1、 職階制(開放型任用制)の導入と挫折
○アメリカ人フーバー人事顧問団の要綱を受けて制定された国家公務員法では国家公務員を一般職と特別職に区別した上で、国家公務員法の適用を受ける一般職の編成について、職階制を導入することが明記されている。さらに、昭和25年には「国家公務員の職階制に関する法律」も制定された。しかし、これらの規定及び法律は現在のところ、空文化している。我国の終身雇用、年功序列、大部屋主義ともいわれる集団執務体制は個々人の担う仕事を厳密に定義する分析と相容れないものであったといえる。

2、 現状
「行政機関の職員の定員に関する法律」(総定員法)によって定員数の上限が定められている。
○国家公務員の3倍に近い地方公務員が存在する。
○国家公務員法の適用を受けるのは一般職のみである。

三、 人事院

1、 組織
○人事官3人で構成される合議制機関の形をとっている。
○内閣の所轄下にあるが、2重予算制、内部組織権を有し内閣からの独立性が保障されている。
○国家公務員法3条1項に基く独立行政委員会である。

2、 給与勧告
○国家公務員法上、公務員には団体協約締結権、争議権が否定されており、その代償措置として、官民比較が5%以上になった場合には、国会と内閣に対して必ず勧告を行うことになっている。
○しかし、あくまで勧告にすぎず、「凍結」される場合もある。昭和57年第二次臨時行政調査会の例。

 

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