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目からウロコの 政治学入門

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第1話 政治権力・支配

一、 政治とは何ぞや

1、「政治とは権力をめぐる抗争である」という説
  C・シュミット、K・マルクス、L・グンプロヴイッツ、N・マキャべェリ等

2、「政治とはあらゆる社会に内在する機能的存在」という説
  D・イーストン等

3、上記、二つの学説を併せた説、即ち闘争的政治観を「政治は国家権力の分け前にあずかろうとする努力」とし、社会統合的政治観として「政治とは物理力の行使または威嚇による一定地域における継続的秩序の樹立」であるとする説
  M・ウェーバー

ニ、 権力について

1、神に仕えるローマ・カトリック教会組織→絶対主義国家の世俗的権威が分離(絶対王政)…「権力」が観念されるようになる。

2、権力とは実体論的アプローチ関係論的(機能的)アプローチに大別される。

[1]権力の実体論的アプローチとは、権力の本質を権力者が物理的強制力をはじめとする社会的諸力(富、情報、知的能力等)を独占している点に求める。
  K・マルクス、F・エンゲルス、H・D・ラズウェル、C・W・ミル

○この論理は社会的諸力は限られた一定のもであるということを前提としている。
○この論理からは、「権力者の収奪+非権力者の被収奪=0」となり、権力の生産的機能が見落とされている。(権力のゼロサム観)T・パーソンズ

[2]権力の関係論的アプローチとは実体論的アプローチのいうように権力は、一方的に行使されるものではなく、権力といっても権力者と服従者の間には何らかの相互作用があるのであり、それを分析しなければならない。すなわち権力とは権力者と非権力者の社会的関係である。
  M・ウェーバー、R・ダール、D・イーストン、T・パーソンズ

○この論理によれば、権力の所有者や権力の総量が一定しているわけではない。
○この論理によれば、権力とは具体的な人間の相互作用において人間の行動様式を統制する能力・可能性を意味することになる。
○この論理は権力作用の目まぐるしい変化を予め予想している点で、社会的流動性の高い現代社会における複雑な権力関係の分析に力を発揮する。

三、 権威と支配

1、権威とは「他人からの指示をその内容を吟味することなしにすすんで受容する状態」(H・A・パーソンズ)、あるいは「組織化された制度的な権力」(T・パーソンズ)と定義される。
○政治権力とは強制力と権威によって構成されている。

2、支配とは政治権力のなかで権威が占める割合が強制力のそれを越え、命令と服従の関係が一時的な現象から日常化すること。

3、支配現象の分析
[1] M・ウェーバーの支配の正当性原理
   (1) 伝統的支配…ex万世一系の天皇
   (2) カリスマ的支配…モーゼ、ナポレオン、ヒトラー、カストロ等
   (3) 合理(法)的支配…形式的合法性が問題となる近代立憲主義
[2] 丸山真男の分類
   (1) 神権説
   (2) 自然権説…社会契約論の基礎となる考え方
   (3) 人民主権

四、服従

[1] 盲従…盲目的な信頼に基づく服従。下位者は常に畏怖の念を抱いている。
[2] 信従…支配の道徳的倫理的根拠が用意されている。
[3] 賛従…服従者の同意に基づく服従。
[4] 欲従…服従することにより、利益がもたらされるという事実、またはその期待に基づく服従。
[5] 忍従…欲従とは反対で、服従しないと自らの利益が剥奪されることをおそれるあまりなされる服従。
[6] 被操縦…服従者に服従の自覚を与えないで服従させること。イメージ操作や、シンボル、スローガン等を巧みに用いて大衆を操作する。

 

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